お年寄りのヨガ
このテーマの特色
○お年寄りだけを対象にしていない。若い人にもあてはまることがある。
○またお年寄りに当てはまらないこともある。本当に若いお年寄りもいる。

お年寄りの動きの特徴
年を経ると知識や判断力は蓄積されて向上していくが、肉体的衰えが動きに現れて以下の傾向となる。
せっかち・早い・荒い・力ずく・あきらめがある。
それは動きの集中力と好奇心(改善力)の欠如が原因である。知能・思いは若いときのままだが、体が思うように動かないために苛立ちとあきらめのための行動だ。

動くこと
私たちの動きの大部分は癖である。年を経るというのは癖が多くなり、またそれが固定される。
動きは生まれてから「這う・歩く・走る・飛ぶ」を中心に学習し、能力を高めてきた。その基本的な動きの完成は14,5歳という。後は動きの技術の向上が部分的にみられるが、社会人となって動きがワンパターンとなって固定化してくると、その動きは麻痺・癖・退化していく。
姿勢の悪さが代表的である。それは麻痺によって苦痛を感じないからである。
この固定・退化を少なくして効率な動きをこのヨガで取り戻すことができるはずである。滑らかで楽で気持ちのいい動きを回復しよう。
動きは脳の活動と関係している。動きを滑らかにするためには脳が逐次活動していなければならない。しかし思い込みや癖、そして執着が動きの中に見られる人が多い。指導の立場から見ていると、彼らは聞いていない、そして何か考えごとをしているようなしぐさをしている、とっさに早くやろうとする、あわてる、結果だけ表現する、などの行動を取っている。
意識的なヨガの動きは体を広範囲に把握し、連動させ、感じを獲得し、より良い動きを呼吸に合わせて完成させていくことだ。

以上のことを踏まえてお年寄りのヨガ体操は体と神経(思い)の関係を取り戻すために以下の動きを行っている。
イスに座ってもできる動きである。ヨガのポーズはここに入れていない。一年くらいかけてここにあるのをやってみよう。
若いお年寄りもぜひやってほしい。

1.手の刺激
指の刺激 指を回す。手のひら、手の甲を指圧、マッサージ。
手のひら合わせて、指組む、ずらす、ひっくり返す。腕をねじる。
頭の体操:グウパーチョキ、折りたたむ。指体操。
脳と手の関係は以下のサイトを参考。(ホムンクルスの模型)
http://www.mizunoyoga.com/gakuin/kurisin15.PDF
2.腕の刺激
肩回し、脱力、肘の動かし方。前腕のねじりは小指と親指。腕とは上腕のこと。腕の動きは鎖骨を含んだ骨の動き。
3.目の刺激(目と顔の周りの適度な刺激は脳を休める)
眼球を動かす-上下左右。つむってパッ上下左。パチパチ上下左右。息を吐いて上下左右。パーミング。まばたき。
視点移動。
4.顔の刺激(耳、鼻、口、舌、のどを含む)
顔の体操-目や口を使って顔をくしゃくしゃにする。舌を出す(シムハアサナを軽く30回)。鼻をつまんで副鼻腔周りを刺激(ナディーショウダナ、スクアプルバクという呼吸法を含む)。手で顔をマッサージ、たたく・つまむ。
首の乳突筋まわりをなでる。
5.脚まわりの動き
足部;指を開く、閉る。足の指のグチョキパー。つま先で立つ・踵で立つ。足裏の刺激、指の刺激。
脚部;膝を閉じる、開く。膝を上げる、下げる。ふくらはぎのマッサージ。特にすね骨の内側の指圧。そけい部(腿とお腹の境目)をマッサージ。お尻の筋肉をたたく。股関節の周りをマッサージ。
6.呼吸系
発声体操(発声しながらポーズを作る)、短音呼吸(短く切って腹圧を高めそして顔の体操を行う)、長音呼吸(長く息を吐く・あ?お)、マントラ(お経でもいい。オーム、アオム、ホームなどを繰り返す。)、歌を唄う(カラオケ)、笑う(口だけで笑う・手を動かして笑う・足を動かして笑う・全身動かして笑う)
マントラ;オーム、アオム、ホーム、オームアラハン、ハレラーマなどなど。瞑想
7.一人マッサージ系
頭、腕、鎖骨下・首・うなじ、胸、顔、耳、脚、尻、腰、背中
(2006-03-09)


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