股関節の周りを柔らかく


スポーツをやっている人は前屈や開脚前屈を大切にしている。相撲の関取でも股関節の柔らかさは抜群だ。大きく足を開いてあの大きな体を前に倒してしまう。ヨガの開脚前屈のポーズだ。

このポーズは股関節の周りを柔らかくする目的がある。しかしこのポーズは足を開くだけでも内腿がひっぱられて痛い。前に倒そうとすると切れそうである。そんなきついポーズでも時間をかけ、日数をかけていくと必ず柔らかくなる。やり続ければまた、いろいろと要領が体得できるものである。


股関節の周りはいくつもの筋肉がつながって動いているし、また周辺の腹部臓器にも大きな影響を与えている。マタニティで開脚をすすめるのは生殖器に対する好ましい刺激で産道を柔らかくするためだ。他にもこの骨盤内臓器、泌尿器や直腸といった消化器にも刺激を与える。

またこの臓器が下に落ちないように下部を支えている骨盤底筋(膜)にも注目したい。これが柔らかくなると呼吸が楽になる。腹式呼吸が楽なる。呼吸は三つの膜で息の出し入れをしている。のどであり、横隔膜であり、この膜である。

開脚前屈のポーズの要領はただ精進あるのみだが、悲鳴をあげないことだ。基本はほぐして緩めて時間をかける。締めたりゆるめたり、伸ばしたりじっとしないで数分間の間、いろいろやってみよう。

その中で意外と気がつかないのが首の位置である。たくさん倒そうとして頭をたれることが多い。または痛いからあごを突き出すこともする。どちらも動きにブレーキをかけている。たくさん倒れなくてもいいから仙骨-背中-うなじ-後頭骨のラインをまっすぐにすると倒れやすい。

また、骨盤が動かないと悲観してしまうのだが、股関節を中心に骨盤が少しでも動いている実感をしてほしい。小さな動きかもしれないがそれが徐々に動いてくると感激ものである。この骨盤が倒れて初めて開脚前屈のポーズができ始めたということになる。

そして究極の完成ポーズは股関節から上部の体幹が重力のまま落ちるように倒れる様であろう。こんなとき股関節周りはゆるみきっているのだ。ここにいたる道は長いかもしれない。少しづつ、自分の体に敬意を払って続けてほしい。そんな、変わった体から腰痛や肩こりから開放されることもある。
(2003-03-20)

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