鍛えるのをやめて練習をしよう。

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   鍛えるのをやめて練習をしよう。
私はからだを鍛えるとことは嫌いです。根性がないからではありません。年が老年に入ったからでもありません。悲鳴を上げていやいややることに疑問を感じるだけです。好奇心をもって面白く試行錯誤的に学習することは大好きです。この年になって昔やっていた武道を再びかじっています。大分さび付いて、思うようにからだが動きません。でも面白いし楽しいです。再びケガをいっぱいしています。

動物は本能のまま「ただ生きる」ということが一生の営みです。しかし人間はより良く生きることが本能です。動物の本能に替わる人の本能は「学習」です。そんなことがフェルデンクライスの書物にも書いてありました。いくつになっても学習することを放棄した人はストレスを感じ始めます。好奇心を持ち続けることが人の本能なのです。

ヨガの時間に腹筋運動をやっています。でも鍛えるためではありません。どうやったら楽に何回も出来るかということを試行錯誤的にやります。うまくいく人もいます。このような人は満面笑みを浮かべて面白いと言ってくれます。わかってもらえると私もうれしくなります。
二人一組になって一人が仰向きになって膝を曲げもう一人が足を押さえて起き上がるいわゆるオーソドックスな腹筋運動をします。せいぜい5〜10回ぐらいです。鍛えてはいけないのです。一人でやるときはタンスの引出しか何か足を引っ掛けるものを用意して腹筋運動をするといいでしょう。
次に足先を強く上に上げる動きをします。抵抗があるからノドに力が入ります。起き上がるのに十分な体勢ですが今は起き上がらずに力を入れるだけです。そして満を期するように上半身を持ち上げると面白いようにばねがはじけるように楽に上がってきます。このときにうまくいく人は満面の笑みがこぼれてきます。これもせいぜい5〜10回位します。興味が続く範囲です。
次です。立って立ち前屈をします。体の硬さは関係ありません。だらっと上半身が下に垂れている感覚を味わってもらいます。すなわち肩首の力を抜く練習をします。これも味わってもらいます。先ほどの組の一人が背中や肩をさすってあげれば効果的です。当然一人でも出来ます。
そして再度、足を押さえてもらい、腹筋運動をします。「おおっ」と歓声が上がれば感度良好で私は大満足です。肩の力が抜けているので面白いように楽にばねのように腹筋運動が出来るのです。20〜30回やって、疲れてくるところは足首だけという面白い感覚も出てきます。

腹筋がうまく出来ない人はその筋肉がないのではなく、ブレーキをかける筋肉があるということです。腹筋を含めて動きは全身運動です。疲れる動きは姿勢の悪さ硬いからだや時には気持ちのマイナスなどでブレーキがかかっているからです。

最近の腹筋運動はバーベルなどの負荷を使って局部の筋肉のみを収縮するウエイトトレーニングになっています。しかし昔からの腹筋運動は今述べたように全身運動であり、不要な力を抜く練習だったのです。上半身の力を抜いて、ほとんどが下半身の筋力のみを使い、それを助長させているうなじの力、これで起き上がるとそれこそ力のない人、私のように老年になっている人でも50回ぐらいつらっと出来てしまいます。鍛えているからでしょうか。そんなことはありません。私は軟弱な存在です。ただ要領がいいだけです。世渡りはへたですが。。。
(2001-12-10)
                                                                    
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