二人でマッサ−ジをする


世の中、マッサージばやりである。当学院の「ストレスケアルーム」も手技としてマッサージをしている。こちらははっきり治療するというスタンスで手技を行なっているが、ヨガの授業でも二人組みでマッサ−ジを取り入れている。
受講生の話を聞くとこのマッサージが一番気に入っているという。中には触れあうということがいやだという人もいる。しかしこのことに関しては深くは説明しないがこれは精神的な緊張が積もると触れあうことに嫌悪感がでてくるらしい。

ヨガの時間にやっている二人組のマッサージはほっとする和気あいあいの時間でもある。お互いが自己紹介して、交代して行ない、「お願いします」ではじまり、「ありがとうございました」でおわる。ニュヨ−クで活躍している大橋渉さんから学んだ方法を基本に行なっている。
ここではマッサージのテクニックでなくやはりヨガの授業だから集中法とリラックス法の練習である。特にやっている人がリラックスできることを最重要とする。そしてマッサ−ジをすることで疲れが取れる方法で取り組む。本来リラックスというのは意識の散漫でなくて集中することである。それで余計な力が抜けて心身が活性化される。

そのためにいろいろ方法があって、まず相手の身体に触れ続ける。横たわっている相手から支えてもらう気持ちがあるので疲れない。そして両手で触れ続けていると互いが安心する。そして何よりも力を入れない、相手を驚かさない、力を入れないのは自分が悲鳴を上げないためだ。そしてただ自分が自然の存在(一部)になって触れ続ける。これはマッサージをしながら瞑想をしていることになる。時間が無限に過ぎているのに気がつく。
何も考えない、ただ触れ続け、共に居る時間がヨガの授業のときのマッサージである。時間にして一人が10分くらいやっただけで互いに満足しリラックスする。

日常の生活では「する、やる、考える」という大脳を使った動物的な心身の作業が多い。それに対して、家庭生活やくつろぎの時間のように一緒にいる、お風呂につかっている、マッサ−ジをしている、ポ−ズを作っているという植物的な心身の使い方もあるのだがこれは多忙な今日では時間的に少なくなってきているようである。この両者のバランスがくずれるところに心身のアンバランスがあるのではないか。DOよりもBEINGを提唱したい。
(2002-05-23)

homeへ