ゆらゆら体操


レッスンの始めにするのはこのゆらゆら体操である。手の指を組んで手首をほぐし、ゆるめる。何回も折ったり、曲げたり回したり気持ちのいいだけ行なう。これをすると指の感覚が良くなる。次に指を一本一本持って回す。力を抜かないと持っているほうの手のほうの肩が凝ってくる。また手首や指を回したりするときに、首が伸びていくような感覚をつかむのがコツである。
次に首である。始めにどの辺まで見えるか首を捻ってチェックしてから、首を左右に軽くゆるめたまま三十回くらい動かす。かなりほぐれて左右良く見えるようになったはずである。
次に足を伸ばして足首を葉っぱがゆれているように動かす。けっして棒切れを振っているようには動かさない。足の指先も手指と同じように一本づつ回す。

ゆらゆら体操はツボの集まりである経絡の刺激であるし、特に手足の指先は経絡の出入り口であるから体全体を刺激していることになる。樹木であれば幹に対する枝葉が手足、首であればこの部分は幹が堅固であればあるほど枝葉は自由でなければならない。逆に幹をゆるめて(姿勢を悪くして)手のゆらゆら体操を行ってみると手首が固くなっているの気がつく。末端と中心は樹木と同じようにバランスをとっている。

またこのゆらゆら体操は深層筋肉の刺激にもなっている。筋肉は大きな動き、強い動きの時には大きな筋肉を使うし、また小さな細かい動きは小さくて筋肉群の深いところにある筋肉を使う。体には骨が200コ、筋肉が500コあるそうだ。大部分が骨を動かすための筋肉であるが、奥まったところにあり、微妙なつながる動きの時しか動かない筋肉、この筋肉を深層筋といっている。これを鍛えるには筋力をつけるというより調整能力だからゆるめるだけの鍛え方をしたほうが良いかもしれない。それがこのゆらゆら体操である。


例えば「橋のポーズ」。このポーズは絵からわかるように、うなじを床に付けて足で体を支えるポーズである。作り始めに背骨をゆるめておかないと腰が痛くなる。背骨の硬い筋肉をゆるめるのに頭をづらしていかないと腰がゆるまない。深層筋のゆるめを目的にしている。腰を上げてからもゆらゆらと動かして背骨をゆるめると気持ち良くいつまでもゆるんだままである。
(2003-12-15)


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