前屈・スきのポーズを楽に作る。実践編


いきなり両脚を前に出して前屈をしてもいいのだが、やはりじっくりと前処理をしながら進めよう。


(ジャーヌシルシアサナ/片足は内側へ曲げる)

片足を前に出して前屈でどのくらい倒れるかチェックをする。そして次にその脚を軽くまげてかかとで床を押す。するとハムスト筋が緊張するのがわかる。触れて確認する。数秒間、緊張させて脱力する。それほど力を入れなくてもよいが脱力の方をオオーバーなくらい上手にする必要がある。これを4,5回行なう。これは操体法を行なった。

そしてもう一度前屈してみる。前よりも倒れたはずだ。反対側もする。そして両脚をそろえて前屈をする。うまく膝がゆるんでいるのを楽しむ。あせってはいけない。力を入れてもいけない。背中が伸びるのもわかる。首のところに力が入いっていないかチェックする。これでもけっこううまくゆるむはずだ。次のステップに進む。

二人でペアを組んで一人がうつ伏せになり、膝を曲げてかかとを尻に付けるように動かす。そしてこのとき、かかとを持って抵抗を加えてもらう。抵抗のあと脱力する。ここでも操体法を使う。ハムスト筋が緊張する程度でよい。5回くらいする。
次に膝を伸ばしてペアの人に両手でその膝を上下から包んでもらって膝を上げようとする。ここでも軽い抵抗を加えて脱力である。5回くらいやったら反対の脚も同様に行なう。
そして起き上がって脚を伸ばして前屈をする。うまく前よりも倒れただろうか。

まだやることがある。次は簡易的なPNFを使う。これも力づくでやらないことだ。私の経験では力が弱いほどうまくいく。
前屈から体を起こしてまっすぐの位置にする。そしてうしろから背中を押してもらう。素直に受け身で倒れる。次に押している手に対して抵抗するように戻す。まっすぐの位置に近づいたところで脱力する。もう一度受け身で前に倒す。そして次にまっすぐの位置に戻す。ここまでを一回とする。これを3回くらいする。お疲れさま。これでおしまい。さあ、がっちりと前屈のポーズを作ろう。

座骨を後ろに引いて骨盤を寝かせ、胸骨を伸ばし、うなじを伸ばして変わっていくのを待つ。肘を曲げてかかとの方へ持っていく。ゆっくりと呼吸を行ない、浮いては沈む感覚を楽しむ。痛みはあるだろう。でもいいじゃないか、痛くても。この痛みを受け入れよう。悲鳴を上げないでそっと時間が経過していくのを待つ。

次にまだある。スキのポーズだ。もう何も説明はいらない。仰向きから脚を上、頭の方へ移動していくには何も抵抗がなく脚が上がっていく。力ずくでスキのポーズを作っていたのと比べて何と楽であろうか。動きはいつもこんなふうに次々とつながる動きをしてみたいものだ。


(スキのポーズ)

最後にこの操体法も、PNFも魔法のテクニックではない。微妙に体が変わっていく可能性を知る方法である。あとは地道にゆるめることを続けていかなければならない。
(2003-12-21)


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